にきび・にきび跡Acne & Acne scar
にきびはストレスなどによる自律神経の乱れやホルモンバランスの不安定、脂の多い食事、甘いもの、便秘、寝不足、化粧品の刺激などさまざまな原因で起こりえます。
放っておくとあばたや色素沈着になるのではやめに治療しましょう。
保険が効くにきび治療薬(内服薬)
抗生物質(にきび治療)
基本的にはニキビはニキビ菌等の細菌感染で起こるので、抗生物質の内服が有効です。
皮膚科では昔からミノマイシントいうテトラサイクリン系の抗生物質を使用してきました。
ただ男性に多くめまい等の副作用がみとめられ、長期間投与で爪や唇に黒いしみが生じたりするので、当院ではあまり使用しません。クラリスロマイシンという新しいマクロライド系の抗生物質をよく使用します。
利点として、長期間安全に使用できる。胃酸に強く高い血中濃度を保てる、ある種の細菌が作る防御膜を破壊することができる、炎症からくる組織の障害を防ぐなどがあります。
抗生物質の注意事項
重症例に、つまり顔全体にうみをもったにきびや赤いぽつぽつがたくさん出来てしまい、早く良くしたいという時にかぜをひいた時や蜂窩織炎の時に使うような強めの抗生物質を飲むとある程度、よくなりますが、依存性ができてしまい、今度はそういう強い薬ばかり飲みたがる人がでてきます。当然、胃がやられたり、下痢を起こしたりの副作用もでやすくなるので、出来るだけ長期間内服可能な弱めの抗生物質を使用するのが大事です。
漢方薬(にきび治療)
漢方薬としてクラシエ製薬の十味敗毒湯を使用しますが、桜の樹皮が含まれているため、抗酸化作用を持ち、ニキビの赤み等を非常に改善させます。ベピオゲル、デユアック配合ゲルなどの外用薬はばい菌をやっつける時、酸化剤としても働くのですが、酸化は皮膚を錆びつかせるという一面もあります。そのため皮膚を守るために抗酸化作用のある漢方薬を一緒に使うのが効果的です。
ビタミン剤(にきび治療)
ビタミンB2、B6も基本として使用することが多いです。たかがビタミン剤と侮れません。どちらか一種類だけ飲みたがる人もいますが、これらは共同で内服することで悪玉コレステロールを下げたり、余分な油分をエネルギーに変えたりしながら血管や毛穴をきれいにしてゆく薬剤です。
抗生物質・漢方薬・ビタミン剤の注意事項
これらの内服薬は外用薬だけでは抑えきれないにきびの再発を予防する効果もありますので、出来るだけ外用薬と一緒に使用するのが望ましいです。
保険が効くにきび治療薬(外用薬)
ベピオゲル・デユアック配合ゲル
ベピオゲル、デユアック配合ゲルは最近、保険適応を受けた世界でもっともポピュラーな塗り薬です。
これらの塗り薬は従来の抗生物質のぬり薬より、明らかに効果は高いですが、その分、福作用も強いので注意してお使いください。
ベピオゲル | デュアック配合ゲル |
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ディフェリンゲル
アダパレンという皮膚のターンオーバーを速める成分が配合されております。顔全体に使用することで白ニキビ、面皰などニキビの初期状態にも効果を発揮します。ただし、初期反応としての顔の赤みはかなり高率に起こりえます。時に赤みや痛みはつらい修行のようだという患者さんもいらっしゃいます。製薬会社の担当にそのことを進言しても、そんなことはない、と取り合ってもらえなかったりしますので、内科や外科でたいした説明もされずに処方されて、使ってみてびっくりして塗るのを中止した人の数はかなり多いと思われます。
ベピオゲル、デユアック配合ゲル、ディフェリンゲル、注意事項
効果は比較的高く、効く人は凄まじく効きますが、合わない人にとってはかなりの苦行になりえます。必ず少量から使い始めるのがこつです。
保険適応外にきび治療
保険適応外として、もっとも効果的なのはCDトレチノインです。
CDトレチノイン(にきび治療)
ベピオゲル、デユアック配合ゲル等が赤くなるなど、副作用で使えない人やある程度、ニキビが治って、ニキビ跡やしみを薄くしたいという人にもお勧めです。
トレチノインはビタミンAの一種で、しみ、しわ、にきびを改善させる働きがあります。皮膚のターンオーバーを促進させて、メラニンの排出を促します。
従来、使っていたアダパレンやレチノイドは高率に顔が真っ赤になったり、皮剥けがひどい状態になりましたが、CDトレチノインはその程度がかなり抑えられています。
市販されている一般化粧品にも含有されていますので、安全性は問題ありません。
ただし、濃度は高いので妊娠中、授乳中の方は念のため使用を控えてください。
CDトレチノインの症例
0.05%トレチノイン配合クリームを4ヶ月塗布
使用前 | 使用後 |
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ピーリング(にきび治療)
グリコール酸という弱い酸で皮膚の表面を溶かしてゆき、老化した皮膚の再生、修復、メラニンの排出を促します。繰り返すことでにきび、しみ、肝斑等を軽快させてゆきます。
強めの外用剤で顔の肌が赤くなったり、かさかさになったりが嫌な人が使用するのにちょうど良いです。
グリコール酸ですと週一回で2か月ほど続けるとにきび、くすみなどに効果が表れてきます。
もう一つ、サリチル酸ピーリングというのがあり、これは月1回でよく、老化して少し厚くなった皮膚を若々しくさせる効果があります。
ピーリングの注意事項
あくまで補助療法ですので、単独で使用するのではなく、他の飲み薬や塗り薬と併用するのが望ましいです。
にきび、赤ら顔Red face
皮膚の下の毛細血管が広がることによって、顔が赤く見えます。女性に多く見られ、眠っているときに無意識に顔をかいていたり、拭き取るタイプのクレンジングでメイクをこすって落とす方、睡眠時間の短い方に多いようです。顔の皮膚を刺激しないことが大切です。
ジェネシス
ジェネシスピーリング
難治性のにきび、赤ら顔に使用します。ロングパルスヤグレーザーのジェネシスレーザーを皮膚の上方から5センチほど離して中空照射し、30分ほどかけてマッサージのように徐々にエネルギーを皮膚の奥に注入してゆきます。熱エネルギーにより、細胞内ミトコンドリアを活性化させ、若返り効果や目の下のクマやしわも、一時的に改善させます。毛穴の開きも改善させます。
ジェネシス注意事項
侵襲のあまりない施術なので、効果を出すために何回か繰り返す必要がある。CDトレチノインとの併用がおすすめです。
ジェネシスの症例
適応: 赤ら顔、毛穴の開き、ケロイド、毛孔性苔癬
照射前 | 照射後 |
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